「最近、体がだるい」「何に対してもやる気が出ない」「日常が楽しくない」
など日々の生活に対して満足いっていないことはありませんか?

誰もが日々の生活に満足し、充実感を得、「幸せ」と感じたいと思っているはずです。
しかし、現実は人生に満足していない方がほとんどです。

もしかすると、それは「筋トレ」によって解決することができるかもしれません。

なぜなら実際に「筋トレ」を日々の生活に取り入れることで心が豊かになり、日々の生活に充足感を抱いている人が多くいるからです。

また、誰しも一度は運動をして爽快感や満足感、達成感などの非常にポジティブな気持ちを抱いたことがあるのではないでしょうか?

ここでの運動というのはジムに行きダンベルやマシンを使って体を動かすことだけではなく、子供の時に外で遊んだり、学生時代の体育の授業や部活なども含みます。

現代社会は経済的にも技術的にも大きく発展し、便利で暮らしやすい生活が実現できています。

しかし、その裏で他人との競争や管理された社会の中で抱えきれないほどのストレスを感じている人も多く、「ストレス社会」とも言われています。

その結果、ストレス・不安などからうつになってしまう人も少なくなく、体は健康であっても心が不健康な状態で生活している人も存在します。

昨今コロナ禍でのフィットネスブームの影響もあり、筋トレがメンタルヘルスにいい影響を与えるという考えが広まっています。

本記事では、科学的な根拠に基づいて、筋トレがメンタルヘルスにどのような良い影響を与えるかを解説していきます。筋トレを始めることであなたの心と体がどのように変化するのか、一緒に見ていきましょう。

筋トレのメンタルヘルスへの主な影響

筋トレがメンタルヘルスに与える影響は数多くあります。

その理由は、
筋トレによってメンタル面や頭の良さに影響を及ぼす「脳内ホルモン」が盛んに分泌されるからです。

私たち人間の体調やモチベーション、行動欲求などは全て「脳内ホルモン」に大きな影響を受けます。

その中でも本記事では以下の3つに絞り、脳内ホルモンとの関係性と共に詳しく解説していきます。

・ストレス軽減

・自己肯定感の向上

・睡眠の質の向上

ストレス軽減

筋トレによってストレスを解消できる可能性は非常に高いです。
理由は主に2つあります。

・セロトニンやドーパミンなどのホルモンが分泌されるため。

・ストレスの原因であるコルチゾールの分泌を抑える。

以上が挙げられます。
一つ一つ詳しく見ていきましょう。

・セロトニンやドーパミンなどのホルモンが分泌されるため。

筋トレによってセロトニンやドーパミンなどのホルモンが分泌されます。

セロトニンとは
「幸せホルモン」と呼ばれており、
このホルモンが分泌されることで心が落ち着きリラックスでき、「幸せ」を感じやすくなります。

ドーパミンとは
「やる気ホルモン」と呼ばれており、快感や多幸感を得たり、意欲を作ったり感じたりします。
また、「嬉しい」や「楽しい」といったポジティブな感情を生み出します

ではなぜ筋トレによってこれらが生成されるのでしょうか?

それは、筋トレによって筋肉が刺激され、神経細胞が活性化し、感情や記憶に関する脳の部位が刺激されるためです。

すごく簡単に言うと、運動したら脳の働きが活発になるからです!
それほど脳と筋肉には強い関係性があるのです。
脳も働かさないと筋肉同様、衰えてしまいます。

そこで効果的なのが「体を動かす」ことです。

ベートーヴェンは歩きながら作曲したと言われています。
村上春樹は毎日10km走りながら小説の構想を練ったと言われています。
スティーブ・ジョブズは散歩しながら考えました。

そう脳にとって一番のトレーニングは、体を動かすことであり、
その中でも筋トレと言われている無酸素運動はホルモンの分泌が多く、メンタルに良い影響を与えるのです!

・ストレスの原因であるコルチゾールの分泌を抑える。

「あなたはストレスを抱えていますか?」

この質問に堂々と
「はい!私は何も抱えていません!ストレスフリーの生活を送れています!」
と答えられる人は多くはないのではないでしょうか?

人間関係、仕事、経済面そのほかにも私たち人間は無意識的なストレスを抱えながら生活しています。

現代社会においてストレス0で過ごすことは、アスリートが一切の怪我をせずに競技を続けられるくらい難しいことです。

その中で私たちに必要なことはストレスとうまく付き合うことです。

できるだけストレスを感じず生活したい、感じたとしてもうまく対処して楽しく生活したい。
そう思う方がほとんどです。

そこで有効な一つの手段として筋トレがあります。

筋トレを行うことでストレスの原因であるコルチゾールの分泌を抑制することができます。

コルチゾールとは
「ストレスホルモン」
と呼ばれており、ストレスがかかると体を守ろうという働きから急激に分泌が増えます。
本来は生命を維持するのに必要なホルモンですが、増え過ぎてしまうと、血糖値が上がり過ぎてしまい、体重が増加し顔が丸くなったり、不眠や睡眠の質が低下し、情緒不安定になりやすいです。また、うつ病の人にはコルチゾールの分泌が止まりにくくなっており、うつ病発症原因の一つではないかと言われています。

これだけ聞くとコルチゾールは体に害を与えるものだと認識してしまいがちになりますが、
実際はそうではありません。

コルチゾールは他のホルモン同様生命を維持するには必要不可欠なものであり、
ストレスから体を守ったり、血圧を調整したりという役割があります。

しかし、
このコルチゾールが過剰に分泌されてしまい、ストレスにうまく対処できない状態になってしまっている人が多いのが現状です。

そこで適度な筋トレを行うことで、コルチゾールの分泌を抑えることができるのです。
逆に過度なトレーニングになってしまうとコルチゾールの分泌が多くなってしまうこともわかっています。

これらのことから、習慣的な筋トレを行うことで、心身に様々な影響を及ぼし、
受けるストレスの量は変わらないとしても、そのストレスに対する対抗力を養うことができるのです!

トレーニング時間
適度なトレーニング
について考えるには、トレーニング時間について考える必要があります。

時間は45分〜60分が良いとされています。
その理由は、筋肉の成長とコルチゾールの分泌のバランスを保つことができるからです。

コルチゾールはトレーニングによって筋肉に刺激が入り分泌されます。
よって運動時間が長ければ長いほどコルチゾールの分泌が高まります。
その結果、ストレス発散のつもりの筋トレが逆にストレスを溜め込む原因になり得てしまうわけです。

また、コルチゾールには筋分解を促す役割もあるので筋肥大にとっても良くはありません。

つまりトレーニング時間は45分〜60分に抑え、ダラダラトレーニングせず、しっかり集中してメリハリをつけて行うことが大事でしょう。

自己肯定感の向上

筋トレを行うことで自己肯定感が向上します。
その理由は、二つあります。

・身体の変化
・心の変化

この二つが大きく変わります。
筋トレを行うことで、身体が変わることは心の変化にもつながります。
その心の変化が自分自身の行動につながっていきます。
そしてその行動がより自己肯定感を向上させてくれます。

また、筋トレによって自己肯定感が上がるホルモンが脳内からドバドバでます。
先ほど紹介したセロトニンやドーパミンに加え、「テストステロン」と言われるホルモンも出ます。

テストステロン

テストステロンとは
日々のやる気やチャレンジ精神、リーダーシップ。
異性からモテるかどうかといったことに深く関わりのあるホルモンです。
このテストステロンが他のホルモン同様、筋トレを行うことでドバドバ分泌されます。

ケンブリッジ大学の面白い研究結果があります。
金融業界で一流トレーダーと呼ばれる人のテストステロン値を調べると、
テストステロン値が高い人ほど多くの成果を上げる傾向が強いことが明らかになりました。
また、同一人物でも筋トレの翌日、テストステロン値が高い日ほど多くの利益を上げていたのです。

この研究結果から、テストステロン値が高くなればなるほど、集中力ややる気が高まり、
多くの成果を上げれることがわかります。

私たちはよく何かを決断する時、今の自分にできるかどうかで判断してしまいがちです。

その結果、行動する前から「自分には無理だ」と諦めてしまい、
後になって「あの時やっておいたらよかったなー」「好きなことをやっている他人が羨ましい」と言うような感情に落ちいってしまいます。

筋トレを行い、自己肯定感が上がることで「自分にはできない」という考えではなく、
「とにかくやってみよう!」「根拠はないけど、できる気がする」といった、
行動を起こす際のスタートが切りやすくなります。

そしてその行動がさらに自己肯定感を高め、人生にとってとても良いサイクルが出来上がります。
筋トレをしない理由はないですね!

睡眠の質の向上

「睡眠」は私たち人間にとってとても重要な役割を担っています。

なぜならば睡眠をしっかりとることで、
心身の疲労回復や日常生活においてエネルギーに満ち溢れ、記憶力・学習力の向上、生活習慣病の予防など多くのメリットがあります。

しかし、
コロナ禍での普段と違う不安定な生活リズムの影響、スマートフォンやタブレットのブルーライトの影響により、「十分な睡眠が取れない」、「眠りたくても眠れない」などの睡眠について悩みを抱えている人は少なくないのではないでしょうか。

そこで解決策の一つとして筋トレが挙げられます。
習慣的な筋トレを行うことで、睡眠の質が高まることがわかっています。


睡眠のメカニズム

まず、睡眠のメカニズムを説明します。
睡眠は大きく分けて二つに分かれます。

・レム睡眠
・ノンレム睡眠

私たちは睡眠している間にこのレム睡眠とノンレム睡眠が一晩の間で約4~5回切り替わっています。
そして、質の良い睡眠とはその切り替わる中でもノンレム睡眠の時間が長いと言われています。

筋トレと睡眠の関係

なぜ筋トレを行うことで睡眠の質が高まるのでしょうか。

その理由は二つあります。

一つは、筋トレを行うことで、筋肉の緊張が緩み、体温が上昇します。

筋トレ中は基本的には交感神経が優位になります。
交感神経とは、車でいうアクセルです。
汗を出したり、心拍数を上げたりととにかく身体が活動的になることに関与します。
自分の身体を動かしたり、バーベルを挙げたり、ダンベルを扱ったりする姿を想像すると交感神経が優位になっているなんとなんとなく想像できるのではないでしょうか。

それに対し、筋トレ後は副交感神経が優位になります。
車でいうブレーキです。
活発になった身体を落ち着かせようとします。
副交感神経が優位になると、筋肉の緊張が緩み、心身ともにリラックスすることができます。
そしてリラックスした証拠として、自然と眠くなります。

よって、筋トレを行うことで交感神経、副交感神経がうまく機能し、自然と眠りにつくことができます。

二つ目の理由は筋トレによって筋肉がダメージを受け、身体が回復を望むからです。
筋トレにより筋肉は一時的にダメージを受けます。
ダメージを受けた筋肉は、いやでも回復を望みます。
これは、病気になった時に治そうとする力と同じです。

また、筋トレは一時的に筋肉だけではなく心にもストレスを与えています。
普段と違う動き、重力に逆らったり、自分の体重以上の物を扱ったりすることは体だけではなく、心にもストレスを与えます。

その結果、筋トレ後には心身ともに休養を求めるようになり、普段なかなか寝付けない人や眠りが浅い人でも自然と眠りにつくことができ、スッキリとした朝を迎えられる可能性が高くなります。

これらの理由以外にも、
最近の研究では筋トレの影響により、睡眠時間は増えないが、睡眠の質が良くなることが明らかになっています。

エビデンスのご紹介

以前は筋トレではなく、有酸素運動の研究が多くされてきました。
しかし、筋トレがメンタルに良いという話を裏付ける様な研究が昨今はよく見られるようになりました。
そのうちの一つをご紹介します。

・レジスタンストレーニング(筋トレ)がうつ症状に有効である。

アメリカ医師会が発行している学術記事「JAMA Psychiatry 」にて掲載されている「抵抗運動トレーニング(筋トレ)の有効性と抑うつ症状との関連性」という記事では、筋トレがうつ病や抑うつ症状を持つ患者の精神状態を改善することが示されました。

この研究ではメタ分析を用い、52個の研究データを統合し、集められたデータを統計的ソフトウェアを使い、効果の大きさや優位性を明らかにしたものです。

これによって集まった参加者は2000人を超えました。
筋トレを週2〜3回行った人と行わなかった人に分けました。

トレーニングを行った人には、専門のトレーナーをつけ安全面に配慮し、適切なフォームや強度を保てるように行いました。
トレーニングの前後で、参加者の抑うつ症状や心理的健康状態を評価し、筋力トレーニングの効果を測定しました。
参加者のうつ病症状は標準化された心理的評価尺度を用いて測定されました。

この研究により、以下のような結果を得られました。

筋トレの有効性
筋トレをした方のうつ病症状が軽減され、筋トレが有効的だとわかりました。

効果の大きさ
症状を数値化し、比較したところ数値は大きく出ました。
これにより、筋トレは効果があるだけではなく、その効果もかなり期待できることがわかりました。

運動の強度と頻度
筋トレの効果は、運動の強度や頻度に大きく依存しないことが示されました。
軽度から中程度の強度の筋トレでも、抑うつ症状の改善に寄与する可能性があることがわかりました。

このように科学的にも筋トレがメンタルヘルスに効果的だと証明されています。
また、近年うつ病患者も増えており、それに伴いこのような研究も増えていくと考えられます。

次は実際にうつ病から筋トレで復活された方のお話をご紹介します。

筋トレでうつ病からの復活

実際に筋トレを行ないうつ病から復活したAさんの話を紹介します。

なんとAさんはうつ病を克服し、
現在は自分自身がトレーニングを教える側、パーソナルトレーナーとして活躍しています。

Aさんは当時工場で働いており、そこでうつ病になってしまいました。
原因は、【過労・業務内容・人間関係】この3つが大きな原因でした。

当時の状況は、
週6勤務、残業は残業は3、4時間は絶対、ひどい時は朝6時から深夜0時まで働きました。
仕事内容もミスが絶対に許されないものでした。
さらに、新しい上司と良好な関係を築くことができず、Aさんは「嫌われているだろうな」と感じていたそうです。
このようにストレスが積み重なり、徐々にAさんは耐えきれなくなっていきます。

まず、朝起きれなくなってしまいます。
その結果、仕事にも遅刻してしまい、その結果上司から怒られます。
また、業務上でのミスも増え、また怒られる。
そしてストレスを抱えたまま帰ります。しかし、ストレスや不安から寝付けず、また朝起きれなく遅刻するといった負のスパイラルに陥ってしまいました。

Aさんはその当時をこう語ります。
「会社のことを考えると吐き気がしていたし、職場の前に行くと勝手に立ち止まってしまっていた。自分の視界にずっとモヤがかかっている感じがしたし、周りから励ましてもらえたけどその励ましが余計に辛かった」

この結果Aさんは自殺を考えるようになりました。
それまでは頑張って耐えようとしていましたが、ここで自分の状態を客観視でき、危機感を覚えました。

Aさんは実家に帰り、うつ病の経験があった父に相談し、病院に行くことを決意します。
病院でAさんは運動療法を勧められました。
しかし、人と関わることが嫌になっていたため、体調が良い時だけ、外に散歩をする程度でした。

そして、ある程度心と体が落ち着いてきた時に、父にジムを勧められ、通うことにしました。
最初はやり方もわからなく、自分に自信もなかったため、全く楽しくありませんでした。
それでも通っていく中で、Aさんはある人に出逢います。

その人はベトナム人のマッチョです。

「何くらい顔してるの?」「トレーニング頑張っているね!」と明るく声をかけられました。

すると、
初心者の方からしたら怖いと言われる「フリーウエイトコーナー」に連れていかれ、
そこでトレーニング方法を教えてもらいながら、一緒にやるようになりました。
怖いと思っていたその場所ですが、実際はそんなことはなく、
ベトナム人マッチョのみならず、その周りの人も声をかけてくれました。
さらにトレーニングを無知なりにやっていたAさんを褒めてくれ、
Aさんはそこから全く楽しくなかったトレーニングが徐々に楽しくなるようになり、
トレーニングを続けることに成功しました。

トレーニングを続けるとどうなるか。
そう、体が変わり、心が変わるのです。
Aさんはトレーニングを完全に趣味にすることに成功し、以前とは比べ物にならないくらい前向きになりました。

そこからAさんは職場に復帰しました。
しかし、すぐに退職を決意します。

それは以前のAさんではないからです。
「誰かに轢かれたレールではなく、自分でレールを築き、生きていきたい!」
そう思うようになりました。

もちろんこの考えが芽生え、決断できたのはAさんが変わり、前向きになったからですがそれだけではありません。

実はトレーニングをやっている人には、
仕事も楽しく頑張って成果を上げていたり、どこかの会社の社長という人が多くそういった人たちと触れ合うことができたのも決断の要因になりました。

Aさんはこう言います。
「体が変わり、心も変わり、考え方、言動や行動、環境も変わっていった。これからも現状に満足せず、いろんなことに挑戦していく。」

そしてAさんは、自分の人生を変えたトレーニングの魅力をもっと沢山の人に知ってもらうように今もトレーナとして活動しています。

いかがでしたか?
筋トレを行うことで、今の自分では想像もつかないような未来が待っていることを体現してくれました。
まるで作り物のような話ですが、Aさんの様に、筋トレによって人生を変えた人は少なくはないのです。

まとめ

今回は「筋トレがもたらすメンタルヘルスの効果」について紹介しました。

筋トレと聞くと、
「しんどい」「怖い」「自分には無理」
とどうしてもネガティブな気持ちを抱いてしまいがちになってしまいます。
これは、人として当然のことです。
なぜならば、人は未知のものに遭遇すると恐怖を感じたり、緊張したりする生き物です。

現在、筋トレを続けている人が、筋トレを始める前こんな気持ちを抱いていなかった。
そんなことはありません。

誰でも最初は怖いし、不安です。
知らないことも多いし、できないことも多いのです。

今回紹介した筋トレのメリットは、ほんの一部です。
まだまだ筋トレには沢山のメリットがあり、可能性があります。
そして全ての人に可能性があります。

騙されたと思って、一度やってみてください。
そして、「Barbell Compass」ではそのような挑戦する人たちのお役に立てる様な情報を伝えていきます。

一緒に明るい未来を手にしましょう。

この記事を読んだ人はこちらの記事も読んでいます